サラバ―ズの『文学のススメ』という曲を「受け取る」ために音楽解釈の記事も今回で5本目になりました。キリが良いので、まずはここらで今までの記事を振り返ってみます。私がブログで扱う曲は、曲調や年代は多岐にわたるものの、共通する点が1つありました。それは「音楽と歌詞の相乗」です。それは、「曲というのは、音楽だけでも歌詞だけでもダメなんだ」ということであり、言い換えれば「曲において、音楽と歌詞は相補的な役割を担っているべきである」ということなのです。最初に扱ったのはたまの『電車かもしれない』でした。「音楽と歌詞の相乗」という概念をここで初めて提示するために、「音楽だけ聴いても歌詞だけ読んでも意味の分からない曲」のわかりやすい典型例として選んだ曲だったのです。26Mar2017音楽
くるりの『Liberty&Gravity』はただのヘンテコ音楽じゃない!「なんだこれ? ヘンテコだなー」って曲ありますよね。どこがサビなのかわからない、歌詞がヘン、メロディーが変調しまくり......。そういう「型破り」な曲は結構あります。そして、得てしてリスナーに強烈なインパクトを与えます。それは逆に言えば、変なことをすればインパクトが与えられるということで、これを利用してインパクト重視のオモシロ音楽を作るミュージシャンも居ると思います。実際面白いです。癖になります。しかし、私は見つけてしまったのです。その「ヘンテコ」をも曲のメッセージに利用している優れた曲を!それが、くるりというバンドの『Liberty&Gravity』という曲です。百聞は一見にしかず。まずは聴いてみて下さい。実はこの曲はM...29Oct2016音楽
『君の名は。』と名曲『赤黄色の金木犀』の美しき共通性10月に入りました。ようやく涼しくなってきたようで、束の間の秋を感じます。そんな中、映画『君の名は。』の勢いはとどまるところを知りません。つくづく恐ろしい映画です。さて、秋ということで、フジファブリックというバンドの名曲『赤黄色の金木犀』を聴いていたのですが、ピーンとくるものがありました。この曲、まさに『君の名は。』なのでは!?ちょっとしたアハ体験でした。まさか、なんの関連性もない2つの名作がこんなところで繋がるとは。というわけで今回の記事では、フジファブリックの曲『赤黄色の金木犀』の解釈をするのですが、単なる曲の解釈記事では終わらせません。そこからさらに、私の感じ取った『君の名は。』との共通性に触れていきたいと思います。曲の解釈と...07Oct20162016年映画音楽アニメ
なぜ私はサカナクションの『ナイトフィッシングイズグッド』が好きか 〜音楽体験のススメ『ナイトフィッシングイズグッド』は、2008年に発売されたサカナクションのアルバム『NIGHT FISHING』に収録されている一曲です。アルバムのリード曲ではないのですが、作詞作曲の山口氏はこの『ナイトフィッシングイズグッド』をリード曲に推薦していました。結局、この曲は6分と長く、MVを作りづらいというスタッフ側の意向により、リード曲は『サンプル』という別の曲になってしまいました(出典元)。しかしながら、山口氏はMVを自主制作してYoutubeに公開しています。12Aug2016音楽
たま『電車かもしれない』に見る音楽表現の可能性『電車かもしれない』は、2001年に発売されたマキシシングル『汽車には誰も乗ってない』に収録されている一曲です。「たま」というバンドの代表曲の一つでもあります。今から15年前の曲ですが、この曲を今一度見つめなおしてみる必要性を感じたので、ブログに書き綴りたいと思います。まずは聴いてみてください。ただ、映像にはあまり目を向けず、純粋に曲のみを聴いていただきたい。というのは、ここでは曲単体から得られるイメージや内容について考えたいと思うからです(もちろん映像と合わせて聴くと新たに得るものがあります)。16May2016音楽